研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、フランクフルト大学元教授のAndreas Gruschka氏を中心として、批判理論に基づく教授学がどのように授業研究を展開しているのか、その中で教授学理論がどのような位置づけにあるのかを明らかにしてきた。今年度は、授業における教授に焦点をあてるGruschka氏に対して、生徒の学習の側から授業をとらえるフレンスブルク大学のMarion Pollmanns教授の授業研究の研究に取り組んだ。Pollmanns教授は、Gruschka氏の授業研究における中心概念である陶冶(Bildung)の捉え方が狭いことを批判し、Bildung概念のうちに生徒の学習の在り方を含めることを主張する。その理解に基づいてPollmanns教授は、授業を記録するためのレコーダーの数を増やし、授業後に生徒にインタビューを行なうなど記録授業の補完を行なっている。このような具体的な授業研究の手続きも含めて、生徒の学びから授業の在り方に迫ろうとするPollmanns教授の授業研究のあり方を明らかにした。そのうえで、Pollmanns教授のもとで在外研究を行ない、ドイツにおける実証的な授業研究における研究方法論の現在について検討を行なった。現在のドイツにおいては、アクションリサーチや談話分析などよく知られた方法から、客観的解釈学といったドイツに独自な研究方法論も存在している。それらの研究方法論ワークショップ等に参加し、それぞれの研究方法論のもつ特色を明確にした。今後の課題は、①ドイツにおける授業研究の研究方法論の全体的な展開を整理し、それぞれの研究方法論がどのように協働することが可能かを探ること、②ドイツでは授業記録電子アーカイブが設立され始めており、その運営実態や保存されている授業記録の種類や活用方法について検討し、授業記録を電子アーカイブ化することの教育学的な意義と可能性を探ることである。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関係領域)
巻: 67 ページ: 27-36
教育学研究紀要
巻: 63 ページ: 591-596
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教育学研究ジャーナル
巻: 21 ページ: 13-22
130006489469
広島大学大学院教育学研究科紀要第三部(教育人間科学関連領域)
巻: 66 ページ: 99-106
120006394835