研究課題
特別研究員奨励費
平成30年度は、大きく二つの方針の下で、研究活動を行った。一つは、個人の行動経済学的特性が、公共・非営利セクターにおいて政策的に重要と考えられている個人の行動にどのような影響を与えるか、を検証する実証研究である。具体的には、1)リスクへの態度を表すリスク選好が、がん検診の受診行動に及ぼす影響を検証する実証研究と、2)他者への配慮を表す社会選好が、寄付行動や献血行動に及ぼす影響を検証する実証研究を進めた。特に、2)では、O型の人が他の血液型の人よりも献血しやすいという実証結果を発見し、自分の支援能力が他人と比べて高いときに、人はより支援しやすい可能性を示した。もう一つは、個人の行動経済学的特性を踏まえて、その特性を活用した政策介入を考案して、フィールド実験という手法を使用してその政策介入の効果を検証する実験研究である。具体的には、3)臓器提供の意思表示を促進するための実験研究と、4)金銭的寄付を誘発するための実験研究を進めた。特に、4)では、効果的な政策介入は受け手の特性によって異なりうるという考えの下で、テイラーメイドの介入を探究した。平成30年度の研究活動から、書籍2冊(内分担執筆1冊・共著1冊)、査読あり英語論文1本、査読あり日本語論文1本、査読なし英語論文1本、査読なし日本語論文1本という成果を出すことができた。また、国際学会で1回,国内学会で2回の研究報告を行った。本研究課題は、就職に伴う特別研究員PDの中途辞退により、研究期間が3年から2年へと変更になった。一方で、焦点を絞り研究を行ったため、一定程度の研究成果を出すことができた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)
行動経済学
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ISER Discussion Paper
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