研究課題
特別研究員奨励費
秘匿された情報を利用者自身で状況に応じて選択的に開示できる匿名認証技術の実現を目指し,以下の関連する研究を行った.1.唯一の標準化グループ署名方式であるMechanism 6(ISO/IEC 20008)に対する安全性評価を行った.具体的には,Mechanism 6は主張されている安全性のレベルは達成していないことを,実際の攻撃を提示することにより示した.また,本研究では,Mechanism 6がどのような利用状況であれば安全に用いることが出来るかの考察も行った.さらに,期待されていた安全性を満たすMechanism 6に対するパッチも提案した.2.完全匿名性を満たす初めての検証者ローカル失効機能付きグループ署名方式を提案した.完全匿名性はグループ署名におけるデファクトスタンダードな安全性であるが,検証者ローカル失効機能付きグループ署名に関しては,この安全性を満たす方式は知られていなかった.本研究では,完全匿名性を満たす方式が,通常の(失効機能を持たない)グループ署名と本質的に同じ要素技術から構成できることを示した.3.否認可能グループ署名と否認開示機能付き公開鍵暗号の関係性の考察を行った.既存の研究によりグループ署名方式から開示機能付き公開鍵暗号方式の構成手法が知られていた.一見,この構成手法を用いると,否認可能グループ署名方式から否認開示機能付き公開鍵暗号方式が構成できるように思えるが,実は,この直観は成り立たない.本研究ではそれを示した.4.否認可能グループ署名と呼ばれる新しい暗号学的要素技術を提案した.否認可能グループ署名は,管理者が「あるユーザがその署名を作成していないこと」の証明を,実際の署名者は明かすことなく生成することができる技術である.さらに本研究では,Groth 方式(ASIACRYPT 2007)を拡張することにより,効率の良い具体的な構成も与えた.
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E100.A 号: 9 ページ: 1825-1837
10.1587/transfun.E100.A.1825
130006038287
IEEE Transactions on Dependable and Secure Computing
巻: 印刷中 号: 2 ページ: 292-305
10.1109/tdsc.2017.2754247