研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、子宮欠損や不妊の治療に向けて機械的刺激負荷と脱細胞化担体とを複合化することによる子宮組織の再生、および受精卵を着床状態に保持したまま子宮内膜に移植可能な子宮着床パッチを開発することを目的としていた。再細胞化した子宮脱細胞担体を用いるのが望もしいが、Flexcellを用いた周期的伸展刺激を加えるのが困難であった。そこで、組織工学的アプローチによりヒトやラット子宮内膜細胞を用いて3次元構造化形成化(Scaffold-free tissue)に成功した。この新しい3次元モデルを用いラットの子宮に移植実験を行ったところ成功的に子宮再生が行われたことが確認できた。子宮パッチ開発に必要な足場となるSFTと受精卵を用いたin vitro実験も行った。その結果、SFTにラットの受精卵を共培養させたところ、受精卵の成長率が24時間また48時間で上昇するなどの優位な結果を得た。48時間後には接着した受精卵がSFTに侵入し始める状態も確認でき、受精卵が接着した後のSFTではLIF (Leukemia inhibitor factor)などの遺伝子発現量も優位に上昇した。これらの結果からSFTモデルがin vivoでの受精卵の初期着床と似た現象が観察された。さらに、このSFTを用いFlexcellで周期的伸展刺激を加え実験も進んでいる。HOXA10、HBEGF、ITGB3など胎児が子宮内膜へ着床する時大きく発現する遺伝子が有意に上昇することを明らかにした。機械的刺激が着床へ及ぼすメカニズムを明らかにするデータも得られた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLOS One
巻: 12 号: 9 ページ: e0185394-e0185394
10.1371/journal.pone.0185394
http://www.tissue.t.u-tokyo.ac.jp/index.html