研究課題
特別研究員奨励費
骨格筋の低酸素状態は低酸素曝露だけでなく運動や疾病等によっても生じ,その応答の生体内での機序を明らかにすることは,より良いトレーニング方法や治療戦略の開発に役立つと考えられる。しかし現在,低酸素曝露が骨格筋に及ぼす影響を示した研究は一貫した結果を示していない。低酸素曝露は,骨格筋に形態的な変化として血管新生あるいは筋萎縮をもたらす。低酸素曝露の応用例として,間欠的低酸素曝露や低酸素トレーニングがあり,この両者は部分的には通常の低酸素曝露とは異なる機序で血管新生をもたらす可能性がある。本研究では,低酸素曝露が骨格筋に及ぼす影響を示し,低酸素による血管新生の促進にサテライトセルが関与するか否かを議論した。低酸素曝露は,骨格筋に形態的な変化として血管新生あるいは筋萎縮をもたらす。このうち血管新生は,VEGF-Aの増加に関わるHIF-1αやPGC1αの増加に起因して生じると考えられる。低酸素曝露の応用例として,間欠的低酸素曝露や低酸素トレーニングがあり,この両者は部分的には通常の低酸素曝露とは異なる機序で血管新生をもたらす可能性がある。筋萎縮は血管新生と競合すると考えられ,低酸素曝露による影響を見る際には,血管新生と併せて分析を行う必要がある。低酸素曝露の際のサテライトセルの活性化は血管新生以外の適応のために生じるが,低酸素トレーニング時にはサテライトセルの活性化が血管新生を誘導する可能性が考えられる。以上の結果は“低酸素曝露が生体内の骨格筋細胞に及ぼす影響”というタイトルで体力科学において2019年に発行された。
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体力科学
巻: 68 号: 6 ページ: 357-367
10.7600/jspfsm.68.357
130007756653
Pain Research and Management
巻: 2018 ページ: 3080715-3080715
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PLOS ONE
巻: 13 号: 11 ページ: e0207040-e0207040
10.1371/journal.pone.0207040