研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、クローバー絡み目の辺ホモトピー分類を与えることである。分類を与える手段として、クローバー絡み目のミルナー不変量を用いることが本研究の特色である。ここで、n葉クローバー絡み目のミルナー不変量とは、1からnの数字を項にもつ数列に対して定義される不変量である。本研究目的を達成するために「二つのクローバー絡み目が辺ホモトピー同値であるための必要十分条件は、それらの繰り返しのない任意の数列に対するミルナー不変量の値が一致することである」という主張の証明に取り組んだ。昨年度(平成29年度)は上記主張の必要条件が成り立つことを証明できた。そこで当該年度は十分条件が成り立つこと、すなわち「繰り返しのない任意の数列に対するミルナー不変量の値が一致する二つのクローバー絡み目は辺ホモトピー同値である」という主張の証明に取り組んだ。研究計画に従いクラスパー理論を用いて研究の進展を図ったが、残念ながら満足のいく結果を得ることはできなかった。一方で、当該年度は「n移動」と呼ばれる絡み目の局所変形と「絡み目のバーンサイド群」と呼ばれる絡み目の不変量に関する研究に対して一定の成果を得た。この研究成果は、津田塾大学の宮澤治子氏と早稲田大学の安原晃氏との共同研究によるものである。この研究成果をまとめた共著論文は、査読付き国際学術雑誌へ掲載受理された。また当該年度に得られた研究成果を公開するために、国内の学会や研究集会およびセミナーにおいて口頭発表を計6件行い、国外でもジョージ・ワシントン大学で開催された結び目理論の国際研究集会において1件の口頭発表を行った。その際の旅費を特別研究員奨励費から捻出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 6件、 招待講演 9件)
Proceedings of the American Mathematical Society
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