研究課題
特別研究員奨励費
γ-チューブリンへの親和性を有する新規抗がん剤創製の足がかりとして、本研究の端緒となったジケトピペラジン(DKP)誘導体KPU-406の構造を元に、以下の二つのアプローチに基づき誘導体合成を展開した。1. γ-チューブリンへの親和性発現に必須となる化学構造の探索:KPU-406の構造を元に、その部分構造からなる誘導体を合成した。加えて、KPU-406の化学構造のうち、4-メトキシフェニル構造の親和性に対する寄与を再検討するべく、高い殺細胞活性を示した2-ピリジル型誘導体KPU-300に着目し、種々の置換基を導入した誘導体を合成した。得られた各誘導体について、γ-チューブリンへの親和性、及び殺細胞活性を評価することでγ-チューブリンへの親和性発現に必須となる構造を特定し、強力なγ-チューブリン阻害剤の創製へとつながると期待している。2. γ-チューブリン親和性を有するケミカルプローブの創製:γ-チューブリンとKPU-406の結合様式の探索、並びにγ-チューブリン親和性を有する誘導体獲得に資する簡便なin vitro評価系への応用を目指し、KPU-406にビオチン構造を導入したケミカルプローブを合成した。今後、γ-チューブリンへの親和性評価ののち、分子内のベンゾフェノン構造を光反応基とした光反応によるγ-チューブリンへの共有結合的ラベル化とつづくMS/MS解析により結合部位の推定を進める。また、表面共鳴プラズモン(SPR)法にて本プローブをセンサーチップに固定化することで、γ-チューブリンへの親和性を示す化合物を簡便に探索可能なスクリーニング系の構築が可能となると考えている。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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