研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、1細胞のラマンスペクトルから細胞状態を同定し、オミクスにより分子的に理解することを目的としている。本年度は、機械学習の手法を用い、細胞のラマンスペクトルから非破壊でトランスクリプトーム状態を推定できることを示し、特許出願をするとともに論文誌に投稿した。招待講演を含む複数の国際会議にも積極的に参加し、成果を宣伝した。また、マイクロ流体デバイスを使った生細胞のラマンタイムラプス計測を実現した。ラマンスペクトルとオミクスデータの対応においては、昨年度の分裂酵母と大腸菌株に続き、異なる薬剤耐性を持つ黄色ブドウ球菌株に対して本手法が有効であることを示した。また、マウスの脳組織切片の空間分解ラマンスペクトルと対応する空間分解トランスクリプトームデータの対応を1細胞レベルで確認し、本手法が微生物のみならず哺乳類細胞でも組織レベルでも成り立つことを確認した。マイクロ流体デバイスを使ったタイムラプス計測においては、流体デバイスで一般的に使われる高分子ポリマーのPDMSからのバックグラウンドシグナルを低減すべく、デバイスの改良を行った。結果、分裂酵母とラットの肝臓癌化細胞において、環境変動を与えた際のラマンスペクトルの変遷や細胞個性の評価に成功した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 産業財産権 (2件)
Cell Systems
巻: 7 号: 1 ページ: 104-117
10.1016/j.cels.2018.05.015