研究課題
特別研究員奨励費
東京を拠点とした資料調査と、受入研究者である木下准教授が主催する京都大学映画コロキアムへの参加を主な活動とし、資料分析と成果発表を進め、内外における研究ネットワークの拡大に努めた。前年度に引き続き、早稲田大学演劇博物館にて無声映画伴奏譜およびトーキー映画初期の関連楽譜に関する調査を進めると同時に(4月~12月)、明治学院近代音楽館所蔵にて関連する資料の調査を実施した(4~10月)。前年度に基礎的な調査を完了した無声映画伴奏譜「ヒラノ・コレクション」(約900点)の分析は、京都市立芸大での日本の伝統音楽に関するより広い枠組みでの成果発表や(11月)、米ロサンゼルスのUCLAにおけるシンポジウムでの口頭発表および上映企画による国際的な成果発信へと結実した(2019年3月)。楽譜などの歴史的資料を活用したライブ演奏を伴う上映に対して、研究者および一般の参加者から大きな反響があった。明治学院近代音楽館所蔵の作曲家関連資料では、トーキー初期から映画の音楽の分野で活動し、のちに黒澤明や溝口健二らの作品への音楽で同分野の新たな表現の可能性を拓いた作曲家・早坂文雄の遺稿の調査、また前年度から継続して取り組んでいる伊藤昇の遺稿調査を進めた。伊藤昇資料の調査成果は、京都映画コロキアムや、映画音楽を専門とする国際学会として英語圏で最大規模を誇るMusic & Moving Image 2018(5月)へ参加し、口頭発表を行った。また楽譜資料のほかにも、トーキー初期に批評家として活躍した掛下慶吉に関する文献資料の調査を進め、日本音楽学会全国大会において口頭発表を行った(11月)。これらの成果を研究論文としてまとめ、発表することが来年度以降の課題となる。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
演劇研究
巻: 第41号 ページ: 35-58
120006457957
表象
巻: 12 ページ: 151-168