研究課題/領域番号 |
17J09462
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 萌 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2019年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2018年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2017年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 乳癌 / 免疫 / 代謝リプログラミング / ニューロピリン1 |
研究実績の概要 |
癌細胞はミトコンドリア機能を低下させ解糖系代謝を亢進させることなどにより、低酸素という過酷な環境下でも活発に細胞増殖を行うことができる。さらに、癌細胞は微小環境における様々なストレスに応じて転移・増殖に有利となるよう代謝経路を多様に変化させることも知られている(リプログラミング)。本研究の目的は、この癌細胞代謝リプログラミングにおいて免疫細胞がどのような役割を果たすのかを明らかにすることである。特に、抗腫瘍免疫のコントロールにおいて重要な役割を果たすことが知られるニューロピリン1陽性マクロファージに着目し、癌細胞代謝リプログラミングのメカニズムを解明していく予定である。 今年度は、これまでの実験結果の考察から、免疫細胞の存在下では乳癌細胞株4T1のミトコンドリア機能に変化が生じることや、薬剤感受性が変化する可能性があること、さらに特定の免疫細胞との共培養において特徴的なミトコンドリア機能低下をおこす可能性があることなどを国際学会で発表した(Cell Symposium: Translational Immunometabolism, 2018)。 また現在までに、様々な環境において癌細胞のミトコンドリアが形態的・機能的にどのように変化するかを観察する目的で、ミトコンドリア内のピルビン酸脱水素酵素複合体を蛍光標識により可視化する実験系の確立を行ってきた。今後は様々な培養環境下での検討をすすめ、とくに免疫細胞との共培養によって癌細胞ミトコンドリアがどのように変化するかを観察することで、代謝リプログラミングの実態を解明しメカニズムの追求を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は癌細胞代謝リプログラミングの実態および免疫細胞の影響について検討し、国際学会で発表を行った。 また、すでに癌細胞ミトコンドリアの蛍光標識にも成功しており、今後様々な培養条件における比較検討を行うことでさらにミトコンドリアの機能的・形態的変化の実態を解明し、同時に分子学的なメカニズム解明へのアプローチも行うことができると期待している。 一方、現状では未だ特定の免疫細胞および分子に特化した癌代謝リプログラミングへの影響に関して検討を進められておらず、今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
まずは癌細胞ミトコンドリアの蛍光標識を用いた実験系を確立させ、様々な培養条件におけるミトコンドリアの形態的・機能的変化の実態を把握する。同時に、それらの実験により捉えられた変化のメカニズムについて分子学的考察をすすめる。さらに、特定の免疫細胞において癌細胞代謝リプログラミングに特徴的な変化が生じる可能性を評価しin vivoでの実験にむけて準備をすすめる。
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