研究課題
特別研究員奨励費
ショウジョウバエは、その神経系の構造の多くが明らかになっている、神経細胞数が比較的少ない、にもかかわらず求愛歌を用いたコミュニケーション等の知性を持つ、といった点から神経科学および神経模倣システムの対象として有用である。ショウジョウバエの聴覚器であるジョンストン器官は約200個のscolopidiaから成り、各scolopidiaはscolopale cell、ligament cell、 cap cell、及び2つ又は3つの神経細胞からなり、音、重力や風といった刺激を受容する。本年度は、昨年度に提案したscolopidiaの数理モデルについて、共同研究先から提供された実験データを基に、モデルの改良に向けた検討を行った。研究成果について、非線形数学の国際学会で口頭及びポスター発表を行い、学生論文賞を受賞した。加えて、神経模倣システムの工学的な応用に向けて、神経ネットワークモデルによる時系列データの教師無しパターン認識の研究を行った。ここで、ニューロンの発火特性のパターン認識の精度への影響に着目し、いくつかのパラメータを差分進化法により最適化することで、様々なニューロンの発火特性を公平に比較する手法を開発した。シミュレーション結果から、いくつかの発火特性がパターン認識の精度を大幅に向上することを明らかにし、神経模倣システムにおいて、発火特性を忠実に再現することの重要性を示した。これらの研究成果は、昆虫の神経ネットワークを模倣した神経模倣システムの発展に貢献することが期待できる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
IEEE Transactions on Circuits and Systems II: Express Briefs
巻: 65 号: 5 ページ: 577-581
10.1109/tcsii.2018.2824827
Journal of Robotics, Networking and Artificial Life
巻: 5