研究実績の概要 |
本研究においては、放線菌が生産する天然物JBIR-34, -35の生合成に関与する非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)てであるFmoA3を主な研究材料として、その構造解析を行った。X線照射、SEC-MALS、およびSEC-SAXによる解析の結果、FmoA3はNRPSとしては前例のないhead-to-tail様式の二量体を形成していることが強く示唆された。特に、SEC-MALSによる解析では、溶液中のFmoA3の質量は理論値の2倍の大きさの値を示したことから、FmoA3が溶液中で二量体を形成する可能性が高いことが示された。このことは、FmoA3が放線菌の細胞内においても二量体として機能している可能性を示唆している。FmoA3がhead-to-tail様式の二量体を形成する目的としては、酵素の質量あたりの基質との接触頻度を高めることで触媒効率を高めることなどが考えられる。
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