研究課題
特別研究員奨励費
前年度は、アストロサイトの脊髄性筋萎縮症 (SMA) への関与をSMAモデルマウス及び患者iPS細胞を用いたin vitro SMA モデルを使用して検討した。その結果、SMA病態下でNotchシグナルの活性化を介して、アストロサイトの分化及び増殖が亢進している可能性が示唆された。そこで当該年度は、アストロサイトの分化及び増殖を制御するNotchシグナルを阻害した際に、SMAモデルマウスの生存期間及び運動機能にどのような影響が出るかを検討した。その結果、Notchシグナル阻害薬はSMAモデルマウスの生存期間 (未処置群でおよそ2週間程度) に影響を及ぼさなかったが、正向反射ならびに傾斜板法による運動機能低下の進行を抑制した。さらにNotchシグナル阻害薬はSMA病態下のアストロサイトの増殖を抑制した。これらの結果には当初予定していなかった内容も含んでいるが、一年を通して期待通りの研究の進展が認められた。これらの研究成果は、SMAにおけるアストロサイト病変のメカニズムの一端を明らかにするものであり、Notchシグナルを標的にした、SMAの新たな治療戦略を提供できるものと考える。つまり、現状のSMA患者及びその他神経変性疾患患者のQOL向上に貢献できる治療薬の開発につながると考えられる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 7件) 産業財産権 (1件)
Scientific Reports
巻: 9 号: 1 ページ: 3710-3710
10.1038/s41598-019-39788-w
NeuroReport
巻: 30(5) 号: 5 ページ: 350-357
10.1097/wnr.0000000000001206
Neurochemical Research,
巻: 44(2) 号: 2 ページ: 374-387
10.1007/s11064-018-2684-7
Neurochemical Research
巻: 43(7) 号: 7 ページ: 1413-1423
10.1007/s11064-018-2556-1
Frontiers in pharmacology
巻: 9:1402 ページ: 1-12
10.3389/fphar.2018.01402
Invest Ophthalmol Vis Sci.
巻: 59(6) 号: 6 ページ: 2293-2304
10.1167/iovs.17-22975
Molecular Vision
巻: 24 ページ: 536-545
J Neurosci Res
巻: 95 号: 8 ページ: 1647-1665
10.1002/jnr.23999
Eur J Pharmacol.
巻: 814 ページ: 161-168
10.1016/j.ejphar.2017.08.005