研究課題
特別研究員奨励費
平成29年度はRhoAについて、神経細胞形態解析と行動解析を行なった。RhoA活性化因子であるGEF-H1について、個体内でのリン酸化を確認した。しかし、GEF-H1ノックアウトマウスを用いたスパイン解析や行動解析において有意差が得られなかった。そこで、新たに「D2R-MSNにおけるRap1シグナルの解析」を開始した。ドーパミンやアデノシンは側坐核においてPKAを活性化し、PKAはRap1活性化因子であるRasgrp2をリン酸化し活性化するとともに、Rap1不活性化因子であるRap1gapをリン酸化し不活性化する。平成30年度はRap1gapのリン酸化について解析を行い、D1R-MSNおよびD2R-MSN特異的なドーパミンおよびアデノシンの作用機序を解明した。In vivoにおいて、D1RアゴニストはD1R-MSNのRap1gapリン酸化を増加させたが、A2ARアゴニストはRap1gapリン酸化の有意な変化を引き起こさなかった。しかし、D2RアンタゴニストはD2R-MSNのRap1gapリン酸化を増加させ、その効果はA2ARアンタゴニストによる前処理によってブロックされた。これらの結果は、in vivoのD2R-MSNにおいて基礎アデノシンによるPKAの活性化が基礎ドーパミンによって常にブロックされることを示している。我々は、D1R-MSNからD2R-MSNへ、またはその逆への活性シフトが、主にドーパミン濃度の変化に依存するというモデルを提案した。これらの知見について論文報告(Zhang et al. Neurochem Int., 2018) した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neurochemistry International
巻: 122 ページ: 8-18
10.1016/j.neuint.2018.10.008