研究課題
特別研究員奨励費
現代の情報化社会の発展により不揮発性メモリの需要が増大しており、高集積化に適したMetal/Oxide/Nitride/Oxide/Si (MONOS)型不揮発性メモリの研究が盛んに行われている。薄膜化によるMONOS型不揮発性メモリの低電圧動作化には、絶縁膜/Si基板界面のラフネスを低減することによる信頼性の向上が重要となる。そこで、本研究ではSi(100)表面原子レベル平坦化によるHf系MONOS型不揮発性メモリの高性能化について検討した。まず、Hf系MONOS構造の膜厚および窒素組成比を変化させて、電荷の注入効率および捕獲量を制御することで、書き込み条件10 V/1 s、消去条件-10 V/1 sで測定したC-V特性において、メモリウィンドウ(MW)が4.5 Vまで増加することを明らかにした。次に、本研究で初めて実現したAr/4%H2雰囲気中熱処理により原子レベル平坦化したSi(100)基板上に、Hf系MONOS型ダイオードを形成し、メモリ特性に関する検討を行った。平坦化により、MWが4.5 V から4.8 Vに増加することが分かった。さらに、新たに自動測定系を構築することで電荷捕獲中心(Zeff)の解析を可能にし、平坦化によりZeffが電荷捕獲層(CTL)の中心近傍からブロック層近傍の0.2 nmの位置に変化することを初めて明らかにした。最後に、原子レベル平坦化したSi(100)基板上に、Hf系MONOS型トランジスタを作製し、メモリ特性に関する検討を行った。平坦化により、MWが1.1 Vから3.2 Vに増加することを初めて明らかにした。さらに、Hf系MONOS型不揮発性メモリのチャネル方向への多値(2 bits/cell)動作について検討し、多値動作可能である事を初めて明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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