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考証学と戯作との関わりを視座とする近世後期俗文芸の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17J10912
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 日本文学
研究機関国文学研究資料館

研究代表者

有澤 知世  国文学研究資料館, 研究部, 特任助教

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2017年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード江戸戯作 / 考証学 / 人的交流 / 挿絵 / 山東京伝 / 菅原洞斎
研究実績の概要

本研究の目的は、考証学と戯作との関わりを明らかにすることで、雅俗にわたる近世後期の文化・社会のなかに戯作を位置づけることである。具体的には、各戯作作品の個別的分析を進めると共に、戯作者の交遊関係を明らかにし、その中で入手し得たであろう情報や資料を解明した。
1、山東京伝の合巻の、挿絵や本文の典拠を明らかにすることをとおして、自身の考証の成果を、作中で巧みに利用していることを指摘し、読本とは異なる方法でそれらの資料が利用されていることから、京伝が草双紙の読者層に意識的であったことを指摘した。この成果は「京伝『籠釣瓶丹前八橋』における〈絵馬の怪異〉」として『上方文藝研究』に掲載した。
2、京伝作の合巻と小枝繁の読本において同じ『剪灯新話句解』の作品が挿話として利用されていることを指摘したうえで、繁の作品においては、先行する京伝合巻の挿絵をも併用していることを明らかにし、繁が京伝作品の典拠を読み解いていたこと、文化文政期の戯作者が、異なるジャンルであっても近い時期に刊行された作品に目を配り、独自の工夫を施していることを指摘した。この成果は「小枝繁の先行作品利用」として『読本研究新集』に掲載した。
3、秋田藩お抱え絵師菅原洞斎が文化三年頃より主催していた古書画展観会の成果の一部である『画師姓名冠字類鈔』の調査を行い、洞斎への資料・知識提供者の名前や素性を明らかにした。また、京伝が洞斎に借用した資料を用いた考証記事が収められていること、洞斎に考証に関する意見を求める京伝の書簡が存することを指摘し、両者が考証の協力者同士であったことを述べた。このことは、幕臣を中心とする考証趣味のネットワークと、戯作者である京伝とが、洞斎を通してつながり、資料や知識を共有し得たことを示す。この成果は「山東京伝の考証と菅原洞斎―『画師姓名冠字類鈔』に見る考証趣味のネットワーク―」として『国語国文』に掲載した。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 京伝『籠釣瓶丹前八橋』における〈絵馬の怪異〉2017

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      上方文藝研究

      巻: 14 ページ: 52-65

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小枝繁の先行作品利用2017

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      読本研究新集

      巻: 9 ページ: 31-44

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 山東京伝の考証と菅原洞斎―『画師姓名冠字類抄』に見る考証趣味のネットワーク―2017

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 999 ページ: 32-48

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 山東京伝合巻における尚古趣味―『籠釣瓶丹前八橋』を例に―2018

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 学会等名
      韓国日本学会96回国際学術大会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 菅原洞斎の古書画展観会 ―東洋文庫蔵屋代弘賢書留を手掛りに―2017

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 学会等名
      日本文学協会第37回研究発表大会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-05-25   更新日: 2024-03-26  

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