研究課題
特別研究員奨励費
近年、疫学的研究により、赤血球容積分布幅(Red cell distribution width: RDW)が大きいと心不全や脳梗塞、静脈血栓塞栓症等の血栓性疾患の発症リスクが増加すると報告された。赤血球の大きさや膜構造の違いが発症に関わっている可能性があるが、それらが血栓形成に与える影響について詳細に検討されていない。そこで本研究では、RDWと血栓形成の関連に着目し、赤血球の変化が循環器疾患に与える影響を解明する。週齢の異なる野生型マウス(4週齢、8週齢、28週齢)の血液から洗浄赤血球懸濁液を調製した後、パーコールを用いて赤血球を3分画に比重分離した。フローサイトメトリー(FACS)を使用し、Reti-Count Reagentを用いて網状赤血球数を、蛍光標識Annexin Vを用いてホスファチジルセリン露出赤血球数を計測した。また、赤血球の凝固能をカルシウム再加時間法で測定した。網状赤血球は、全ての週齢において最も比重の小さい層に最も多く含まれていた。4週齢に比べて8週齢および28週齢では、比重の大きい赤血球分画の割合が増加していた。ホスファチジルセリン露出赤血球数は、週齢および分画間で有意な差はみられなかった。カルシウム再加時間法による赤血球の凝固能測定では、比重の大きい分画に比べて小さい分画で凝固時間が短縮する(凝固能が高い)傾向であった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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