研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、ミトコンドリア由来の傷害関連分子パターン(MTDs)に存在する自然免疫活性化能を持つペプチド、特にその存在が予測されているホルミルペプチドを同定し、その生理的存在意義を解明することを目的としているが、本年度の検討により、以下の結果が得られた。1) ミトコンドリアDNAにコードされた13種類のタンパク質由来のホルミルペプチドのうち、MCT-2を含む5種類の高い活性を示すホルミルペプチドについて、それらの受容体を検討した。その結果、すでに明らかになっているMCT-2に加えて、NADHデヒドロゲナーゼ・サブユニット4 (1-20)ならびにNADHデヒドロゲナーゼ・サブユニット5 (1-28)はホルミルペプチド受容体2 (FPR2)のみを特異的に活性化すること、これに対しNADHデヒドロゲナーゼ・サブユニット6 (1-6)はホルミルペプチド受容体1 (FPR1)を特異的に活性化すること、さらにチトクロームcオキシダーゼ・サブユニットI (1-13)はFPR1とFPR2の両方を活性化することが示された。2) MCT-2以外のMCTsの中でも活性の高い、ミトコンドリア移行配列由来でN末端がホルミル化されていない好中球活性化ペプチド、MCT-3に対する特異的MAb、AH1を獲得し、それを用いて、MTDsにおけるMCT-3の存在を検討した。その結果、MTDsの逆相HPLCによる精製画分において、AH1に対する免疫活性が認められ、MTDsにMCT-3あるいはその誘導体が存在していることが示唆された。3) MCT-3を含むMCTsの受容体や情報伝達を解析した結果、それらMCTsの情報伝達にGi2タンパク質が関わっていること、さらにそれらに対する受容体が、従来のGタンパク質共役受容体と異なり、Gi2を含む少なくとも5種類以上のタンパク質からなる複合体である可能性が高いことが示された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Peptide Science
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