研究課題/領域番号 |
17J40121
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物分子・生理科学
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研究機関 | 新潟大学 (2019) 国立研究開発法人理化学研究所 (2017-2018) |
研究代表者 |
池内 桃子 新潟大学, 自然科学系, 准教授
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研究期間 (年度) |
2017-07-03 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 器官再生 / 細胞リプログラミング / 再生 / 遺伝子制御ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、シロイヌナズナおよびユニークな再生様式を有するイワタバコ科植物の比較を通して、再生メカニズムの多様性を明らかにすることを目的として行ってきた。第一に、表皮細胞など高度に分化した細胞種が脱分化して再生芽を形成するイワタバコ科植物を新たな再生研究のモデル系とすべく研究を進めてきた。これまで予備的な実験はPrimulina vertigo を用いて行ってきたが、本種は雑種であり遺伝子発現解析や遺伝学的な解析に最適ではないため、イワタバコ科のモデル種として整備が進んでいるChirita pumila への切り替え準備を進めてきた。Chirita pumila においてアグロバクテリアを用いた形質転換系に取り組んでおり、条件検討を進めた。また、葉の表皮細胞が分裂して新たなメリステムを形成するというユニークな現象を深く理解するために、細胞分裂パターンの画像解析によって数理的に解析する方法を検討した。シロイヌナズナを使ったプロジェクトでは、カルスの再生能力を制御する新規因子の同定と解析を進めることができた。さらに組織学的な解析を進めた結果、本変異体ではカルスの中で幹細胞形成に寄与する細胞種の割合が高まっているのではないかという着想を得た。そこでこの仮説を検討するために、野生型と変異体においてカルスの1細胞RNA-seq 解析を行った。これまでに条件検討をすすめ、細胞分取とRNA抽出、cDNA合成まで完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イワタバコ科植物を使ったプロジェクトでは、細胞分裂パターンの数理的解析などにおいて共同研究の準備を進め、また形質転換系の確立に向けて条件検討を進めるなど着実な進展が見られる。シロイヌナズナのプロジェクトでは、私がこれまでに発見した遺伝子機能解析を進める一方で、本遺伝子がカルスの細胞種を規定する機能を持つのではないかという発見に基づいて、最新の技術である1細胞RNA-seq 解析の共同研究も進めるなど、今年度は研究が新たな展開を見せた。共同研究での原著論文も複数発表し、国際学会で発表して参加者との積極的なディスカッションをするなど、活発に研究を進めた一年であったといえる。パーマネントのかつ独立の准教授職に就くこともでき、今後はさらなる研究活動の進展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに進めてきた条件検討に基づき、イワタバコ科で形質転換系を確立することが重要な課題である。また、画像解析についても更に具体的に検討を進め、発生学的な知見を得ていきたい。
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