研究課題
特別研究員奨励費
A. 運動ニューロン疾患における時空間的分子シグナル異常の解明と治療法開発本年度は球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の病態においてSrcが活性化する機序を解析した。まず野生型細胞株(NSC34、C2C12)とコントロール細胞モデル(AR-24Q)におけるSrcのリン酸化レベルを比較した。コントロール細胞モデルでは野生型細胞株よりもSrcのリン酸化が亢進しており、Srcの活性化にARの本来の機能が関与していることが示唆された。さらにARとSrcの結合部位を欠損させた「deleted ARプラスミド」もしくは「deleted Srcプラスミド」を細胞に一過性強制発現させることにより、ARとSrcの結合がSrcのリン酸化に与える影響を解析した。ARとSrcの結合が低下している細胞ではSrcのリン酸化が低下しており、Srcの活性化にはARとSrcの直接的な結合が重要であることが示された。本年度までに行った研究について「Src inhibition attenuates polyglutamine-mediated neuromuscular degeneration in spinal and bulbar muscular atrophy」というタイトルでNature Communications誌に発表した(Iida et al. Nat Commun. 2019)。B. 下位運動ニューロンにおける神経回路障害の分子メカニズム下位運動ニューロンにおける神経回路障害の分子メカニズムの解明については、CAGリピートが97個に延長したヒトARをloxP配列で挟み、C末端にNanolucルシフェラーゼ配列をもつ全長約4.5kbpの人工遺伝子を完成さた。マウス受精卵にinjectionを行い、AR-floxマウス作成を試みている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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120006786260