研究課題/領域番号 |
17K00009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報学基礎理論
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
村山 立人 富山大学, 学術研究部工学系, 講師 (80360650)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スピングラス / 磁性体 / 平均場近似 / 情報理論 / 不可逆圧縮 / 物性理論 / 統計力学 / 情報基礎 |
研究成果の概要 |
本研究では、スピングラスと呼ばれる磁性体の平衡状態が、情報の不可逆圧縮過程を定義する方程式系の解として記述できる事実に注目した。そして、すべての不可逆圧縮過程が原理的に破れない「レート・歪み限界」に基づいた解析的な物性評価を実施することで、数値的に再現するのが難しいスピングラスの臨界現象を厳密な立場で研究した。このシナリオは、統計物理学の概念と方法を積極的に情報工学の諸問題に適用してきた応用研究の動向を、基礎科学の立場から逆転させたものとしても興味深い。その結果、統計物理学におけるスピングラスの研究で、厳密評価に強い情報理論の数学的資産を転用するための処方箋をはじめて構築できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、統計物理学の概念と方法を情報科学の諸課題に応用していく従来の研究志向を逆転させているのが学術的な特色である。この新しいパラダイムの提唱によって、統計物理学の適用範囲が事実上拡大し、未知の現象の発見及びその理論的説明ができるようになる。特に、その複雑さゆえ、現在は数値解析が主流となっているスピングラスの研究に再び革新をもたらす可能性がある。また同時に、情報理論の新しい適用先が開拓できたという学術的意義も大きい。
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