研究課題/領域番号 |
17K00017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報学基礎理論
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2017-2021) |
研究代表者 |
宇野 裕之 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (60244670)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 固定パラメータアルゴリズム / 固定パラメータ容易性 / ネットワーク解析 / 近傍多様性 / ネットワーク中心性 / クラスター編集 / 実ネットワーク / 頂点被覆 / パラメータ化計算 / ハミルトン性 / 媒介中心性 / コミュニティ発見 / 資金循環問題 / 離散最適化 / パラメータ化計算複雑さ / 多項式時間アルゴリズム |
研究実績の概要 |
本研究は,理論計算機科学における計算複雑さおよびアルゴリズム理論の分野で急速な進展を遂げているパラメータ化計算という枠組みのもとで,離散最適化に対する率的なアルゴリズムの設計技法として確立しつつある固定パラメータアルゴリズム理論を扱っている.その理論がもつ,何らかの特徴をもつ実データに対してアルゴリズムを高速に動作させるという理念に鑑み,理論的な成果を挙げると同時に固定パラメータアルゴリズム研究を実用化の段階へ推し進めることを目的とする.本研究は,当初設定した研究期間を経過したが,コロナ感染症による進捗の遅れから研究機関を再延長した.6年度目である令和4年度は,前年度までの方針を踏襲し,理論的な研究を継続するとともに実用的な方向への挑戦を推し進めた.具体的には,まずはじめに理論面からは,Double-Threshold Graph と命名したグラフの認識問題に対して多項式時間アルゴリズムを設計し公表していたが,これを雑誌論文とした.またあらたにグラフ描画に関する重要問題を考察し,それに対する固定パラメータアルゴリズムの開発に着手した.実用的な方向では,ネットワーク解析分野で頻出するネットワーク中心性を厳密に計算する問題を継続して扱い,なかでも最も重要である頂点媒介中心性に対するアルゴリズムの実装の高速化を試みている.また,固定パラメータアルゴリズム分野で基本的な問題の一つであるグラフ燃焼問題に対する固定パラメータアルゴリズムに関する実証実験も継続し,実ネットワークを入力としたときに有効となるカーネル化や有界探索木などの手法を検証している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,理論計算機科学における計算複雑さおよびアルゴリズム理論の分野で急速な進展を遂げているパラメータ化計算を扱い,理論的な成果を挙げると同時に固定パラメータアルゴリズム研究を実用化の段階へと推し進めることを目指している.延長2年度目(通算6年度目)である令和4年度は,これまで取り扱ってきた基本的な問題に対する理論的に重要な結果を得るとともに,それらにより得られた知見をもとに新しい問題に対するパラメータ化高速計算アルゴリズムの提案や実装に着手し推し進めている.しかしながら令和4年度も,ひきつづき年間を通して新型コロナウイルスの影響を引き続き大きく受け,予定していた多くの出張予定がキャンセルとなり,予定していた研究打合せの機会を失うこととなった.また,研究発表などの活動の場が損なわれることになり,その進捗状況は当初の予定よりやや遅れることを余儀なくされている.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響で進捗がやや遅れていることに鑑み,本研究は計画期間の再々延長を申請し承認された.そのうえで,おそらく本計画の最終年度となる7年度目は,これまでに得られた成果の実装を強化する.とくに,固定パラメータアルゴリズム分野では代表的かつ基本的な問題である頂点被覆問題については,実ネットワークに対してその問題を解くアルゴリズムを適用する際には,さまざまな新しい問題や挑戦すべき課題が存在することが明らかになったので,その方向に研究を推進していきたい.これらと同時に理論的な研究も継続する.それとともに,あらたにグラフ描画問題に対する固定パラメータアルゴリズムの検討に着手したため,この理論的な研究成果を得られる段階にまで推進したい.その際,個別の重要問題に対してはそれを容易にするパラメータの獲得と選択にも挑戦する.とくに,近傍多様性や treedepth と呼ばれるパラメータには引き続き注目しており,このパラメータの性質そのものや,このパラメータを利用した効率的な固定パラメータアルゴリズムの考案や設計を目指す.
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