研究課題
基盤研究(C)
次世代シーケンシング実験の低コスト化や、顕微鏡の高性能化により、生命状態の経時的変化を細胞レベルで測定する研究が増加している。一般に時系列データは、一時刻点のみの測定データに比べ、要素間の因果関係などを高精度に推定できると期待される。しかし、現時点では、これらのデータの解析には、クラスタリング法など記述的分析法が主に使われており、測定データから、生命状態変化を引き起こすメカニカルな仕組みを推定する研究は多くない。そこで我々は、制御工学の分野で広く使われているカルマンフィルターの理論を生命データに適用するために必要な新規アルゴリズム群を整備し実装した。
生命情報科学の分野では人工知能や機械学習といった最新のデータ科学技術を用いたデータ解析が数多く行われているが、これらの技術が既存の確立した物理・化学・生物学の知識と無矛盾な結果を出す保証はなく、自然現象とは関係ないデータの特徴を捉えているのではないかという懸念が常に残る。そこで我々は、制御工学の分野で用いられているカルマンフィルターの理論を活用して、微分方程式のパラメータを測定データから推定する手法を開発した。この手法を用いれば、既知の生命過程の知識を人工知能や機械学習のモデルと統合することが容易になるため、理論生物学の強力な道具立てになることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)
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