研究課題/領域番号 |
17K00576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 一般社団法人日本薬理評価機構 |
研究代表者 |
山田 茂 一般社団法人日本薬理評価機構, 評価法開発センター, 客員研究員 (50508679)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 化学物質 / 発達神経毒性 / iPS細胞 / ミトコンドリア / 神経分化 / ミクログリア / 炎症応答 / サイトカイン / Mfn / Mfn1 / 自己複製 / 環境 / 有害化学物質 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
研究成果の概要 |
ヒト発達期に神経毒性が懸念される化学物質があり、安全性の評価は重要である。現在、ヒトにおける発達神経毒性は妊娠動物を用いて評価しているが、有用な評価マーカーはいまだ同定されていない。そこで発達期モデルとしてヒトiPS細胞を用いて、発達神経毒性が懸念される化学物質の検討を行った。その結果、ナノマテリアルAgNPsや抗がん剤5-FU曝露後に神経誘導すると神経分化マーカーPAX6の発現が低下することを見出した。さらに、分化抑制の要因としてミトコンドリア融合蛋白Mfnの分解を介したミトコンドリア機能異常であることを見出した。従って、Mfnは新しい安全性評価の標的として利用できることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、子供の学習障害や自閉症などの発達障害が増加しており、その原因の一つとして発達期の環境中の化学物質の曝露が指摘されている。本研究では、ヒトiPS細胞を用いて新たな神経毒性評価マーカーとしてミトコンドリア機能蛋白質であるMfnを同定した。Mfn分解は異なる化学物質により共通で引き起こされるため、今後、発達毒性が懸念される化学物質のスクリーニングへの利用が期待できる。また、これまでヒトiPS細胞の神経分化メカニズムは不明な点が多かったが、本研究の過程でMfnが神経分化に関与する新規分化機構も見出した。今後、ミトコンドリアを介した分化メカニズムの解明により、幹細胞生物学に貢献できると考えられる。
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