研究課題/領域番号 |
17K00639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境リスク制御・評価
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70369122)
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研究分担者 |
正木 孝幸 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00746232)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミクロシスチン / 分解菌 / 諌早湾調整池 / 生物濃縮 / HABs / ミクロキスティス / 一次純生産 / ミクロシスチン合成酵素 / ミクロシスチン分解酵素 / 生分解性 / シアノバクテリア / シアノトキシン |
研究成果の概要 |
諌早湾調整池では夏期から秋期にかけて、有毒アオコの大発生が恒常化している。発生シーズンにおける現地での24時間連続観測により、調整池では約52kg/dayの強力な肝臓毒ミクロシスチン類(MCs)が産生され、うち40%が湖底に堆積していると推計された。このMCsは排水と共に海域に拡散している。しかし、淡水起源のアオコは海域では死滅し、MCs も分解されるとされ、注目されてこなかった。ところが、室内実験では、20度C以下ではMCs分解が進行せず、リアルタイムPCRによって、分解菌が機能してない事が確認された。この事は、従来の調査で、冬期の海底泥から夏期より高濃度のMCsが検出された結果と合致する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大規模な有毒シアノバクテリアの発生は世界各地で報告されているが、淡水域で産生された毒素の行方や分解過程については未解明な点が多い。今回、我々は、窒素消費からミクロシスチンの産生量を推定し、その分解は低温では進まないことを示した。そのため、海域生態系には未分解のミクロシスチンが残留・循環している事が示された。もちろん、この事は有明海特有の現象ではない。例えば、韓国ナクトンガンの河口域で厳冬期に採取された堆積物に高い濃度のMCsが残留している事が確認された。したがって、今後は、有毒アオコ発生時には下流のエコトーンから海域に至る調査が必要である事を示した。
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