研究課題
基盤研究(C)
屋久島・西部地域は世界遺産にも指定され厳重に保護さている地域であるが、近年ニホンジカ(以下シカ)の高密度化が問題視されている。この地域において、シカやニホンザル(以下サル)の密度を自動撮影カメラを用いて推定した。かつて人が伐採した二次林ではシカの密度が非常に高かったが、一次林(原生林)ではその半分以下であることが分かった。一方、サルは一次林、二次林ともに同程度に高く、シカとは異なっていることがわかった。
全国的にシカが増え、植生にダメージを与えていることが問題になっている。これは、シカを捕らなくなったことが原因であるとよく言われているが、今回の結果は、それだけではないことを示している。人が伐採した森林は、その後、二次林となり、果実や落葉が多くなると考えられる。つまり現在の二次林はシカにとって住みやすい環境の可能性がある。一次林でシカが相対的に少なかったという結果からは、今後、森が成熟して暗い一次林になっていけば、シカが徐々にへる可能性が考えられる。
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