研究課題/領域番号 |
17K00754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政・生活学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
片山 美香 岡山大学, 教育学域, 教授 (00320052)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 保育士 / 子育て / 両立 / 葛藤 / 保護者支援 / 保育者 / 妊娠期 / 保育 / インタビュー調査 / 質的分析 / 親アイデンティティ / 保育者効力感 / 子育て経験 / 子ども理解 / 保護者支援力 / 親役割認知 / 親役割評価 / 親役割受容 / 私的な子育て / 仕事と家庭の両立 / キャリア形成 / 離職 / ワーク・ライフ・バランス / 妊娠 / 出産 / 同僚 |
研究実績の概要 |
子育てを経験している保育士が親としての役割と保育士としての二重役割をもち、子育て及び保育全体を含めた保護者支援の専門的力量にもたらす相互の影響関係について検討した。 その結果,保育士の子育て経験は子どもに対する多面的な理解の拡充に加え,園でしか見ることのなかった子どもの姿を家庭での姿も含めて捉えることによって,子どもの日常を連続的に把握することを可能にし,子ども理解が深化した。また,保護者(親)としての当事者性をもった保育士ならではの保護者理解により,保護者の心情や日常への想像力が高まることによって,共感的な理解が深まると共に,保護者に受け入れられる支援を見出す可能性が示された。 一方で,保育所という職場全体に家庭と仕事の両立を認める雰囲気があり(中根,2014)ながらも,依然,保護者の両立支援を生業とする保育士自身の両立支援が十分でなく,両立の困難さに葛藤を抱えながら職務を継続している状況が改めて確認された。母親が一人で子育てを抱え込もうとすること,育児の要求水準を上げることは逆説的にその母親たちの適応や発達を阻害するとの指摘がある(Rizzo, Schiffrin & Liss,2013)。このような危機に瀕しながらも,子どもを見守り、親自身が無理をし過ぎない等、保育士の専門性を自身の子どもに対する姿勢や親としての自分の振り返りに生かしながら、程よい両立のバランスを工夫していることが明らかになった。保育士としての役割と親としての役割を適宜切り替えながら,それぞれの立場で得た気づきを相互に積極的に活用し,好循環を創出しようと努力する保育士の実態が明らかになった。保育士自身が自ら仕事と子育ての両立に葛藤を抱えながらも克服しようとする工夫は,保護者の子育て支援における強みとなると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナの影響で、インタビュー調査を実施するに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、半構造的面接調査を実施し、保育士個人の語りを聴取する。個々の保育士としての仕事とわが子の子育ての両立をめぐる実状を聴取し、保育士の就労継続にも寄与する、保育士自身の両立支援の在り方に関する知見も得たいと考えている。
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