研究課題/領域番号 |
17K00851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
伊藤 友子 (大矢友子) 修文大学, 健康栄養学部, 教授 (80329648)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 精神疾患 / グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素 / カルボニル化合物 / 翻訳後修飾 / グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素 / メチルグリオキサール / カルボニル / 糖化反応 / 食品機能 / プロテオーム |
研究実績の概要 |
今年度は、引き続きサンプリングを行い、統合失調症患者と健常者の末梢血由来リンパ芽球様細胞(LCL)におけるグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)の脱水酵素活性を測定した。それらの結果、これまでと同様に、統合失調症患者のLCLにおける脱水酵素活性は、健常者に比べて低い傾向が認められた。一方で、GAPDHのカルボニル化合物による修飾形式を解析した。修飾部位として、GAPDH分子の表面に露出しているアルギニン残基およびリジン残基が認められた。特に、LC-MS/MS解析の結果から、NAD結合ドメインに位置するアルギニン残基に修飾付加体の存在が確認された。また、活性中心に存在するシステイン残基をグルタチオン化したGAPDHでカルボニル化合物による修飾反応を行い、その後還元させた実験では、脱水酵素活性はグルタチオン化していないGAPDHでカルボニル化合物による修飾反応を行った場合や、さらにそれを還元させた場合の両方に比べて高い活性を示した。つまり、グルタチオン化によって保護しておくと活性中心のカルボニル化合物による修飾反応は起こりにくく、活性低下が抑えられた。さらに、反応液中のカルボニル化合物の濃度を高くするにつれて、グルタチオン化したGAPDHは還元させても活性は復活しなかった。よって、カルボニル化合物による修飾反応が活性中心やその近傍で起きており、脱水酵素活性を低下させていることが示唆された。以上のことから、脱水酵素活性を低下させている少なくとも一つのメカニズムとして、カルボニル化合物はNAD結合ドメインを選択的に修飾していることが予想された。現在、GAPDHの脱水酵素活性以外に対するカルボニル化合物による影響についても解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床検体におけるGAPDHの脱水酵素活性の測定に時間を要した。GAPDHにおけるカルボニル化合物による修飾部位の解析は進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果を基に、GAPDHの脱水素酵素活性の変化およびカルボニル化合物による修飾反応と病態進展との関連を明らかとする。患者と健常者それぞれの末梢血由来リンパ芽球様細胞におけるGAPDHタンパク質発現レベルをLC-MS/MSを利用して比較する。また、このGAPDHにおけるカルボニル化合物による翻訳後修飾部位を明らかとする。GAPDHの脱水酵素活性以外、特にアポトーシスや核内移行に対するカルボニル化合物による影響とそのメカニズム解析を詳細に行う。食品因子による制御機構について、カルボニル化合物との反応機構を中心に詳細な解析を進める。一方で、各種ストレスに対するリンパ芽球様細胞の応答を解析する。
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