研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ブドウ球菌毒素 (SEA) が誘導する慢性炎症、インスリン抵抗性等の発症に対するポリフェノールの機能性を明らかにすることを目的に研究を行った。その結果、(-)-epigallocatechin-3-gallate (EGCG) がSEAと相互作用することにより、gp130受容体とSEAの結合が阻害され、STAT3のリン酸化を抑制することが示唆された。また、SEAは、Th1細胞の応答を誘導し、特に糖尿病モデルマウスでは、SEAに対する感受性が高まることが示唆された。さらに、EGCGは、正常および糖尿病モデルマウスにおけるSEA誘導性炎症関連遺伝子の発現を抑制することを明らかにした。
本研究では、SEAのgp130受容体への結合およびSEAが誘発する慢性炎症、インスリン抵抗性に関与するSTAT3の活性化をカテキンが抑制することを明らかにした。gp130は炎症性サイトカインであるIL-6ファミリー共通の受容体であることから、カテキンにより、IL-6が関与する種々の炎症性疾患を軽減できる可能性がある。また、将来的に、SEAによるSTAT3活性化に起因する慢性炎症の分子メカニズムとそれに対するポリフェノールの影響を明らかにすることにより、細菌性毒素に起因する各種疾病の有効な予防・治療法の開発につながることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件)
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