研究課題
基盤研究(C)
本研究では擬似赤血球の酸化還元リズムの発生に効果的な物質として、ピルビン酸を同定した。ピルビン酸は酸化還元リズムを作り出す過酸化水素を消去する抗酸化物質であり、ビタミンEやセレンと同様に活性酸素から細胞を保護していた。一方、ピルビン酸はミドコンドリアを介した過酸化水素の発生にも関与していた。また、疑似赤血球の酸化還元リズム測定の再現性を得るために、疑似赤血球の作製方法と測定条件を改良した。
患者の酸化還元リズムの測定により、新たな角度から疾患の病態生理を理解できる。また、酸化還元リズムの特性に疾患特異性があれば、新規診断法の確立につながる。さらに、健常人の酸化還元リズムと比較することで、特定の疾患へのかかりやすさや健康の維持・増進に関わる指標となるリズムの特性が得られる。本研究によって、酸化還元リズムの共鳴に効果的な抗酸化物質をin vitroで同定することで、過酸化水素を多く産生する患者の酸化還元リズムを強固にする新しい治療法の開発につながる。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Transl Psychiatry
巻: 7 号: 4 ページ: e1106-e1106
10.1038/tp.2017.75