研究課題
基盤研究(C)
肥満は国民の健康において深刻な問題だが、エネルギー収支を基準とした個人の生活習慣の改善に委ねられており、抗肥満活性の統一的基準は十分に確立されていない。そこで、代表者は培養細胞の評価システムを個体レベルでの肥満解消を予測可能なシステムへと磨き上げることで、抗肥満活性の統一的基準の確立を目指している。クリルオイルは南極オキアミから抽出されたω-3脂肪酸を豊富に含むオイル成分であり、ヒト臨床試験により抗肥満効果が報告されている。我々は、クリルオイルより、褐色脂肪細胞への転換(ブラウニング)に寄与することでに、3T3-L1細胞に蓄積する中性脂肪量を減少させる脂溶性成分を見出し報告した。
分子細胞生物学の発展により、脂肪細胞は余剰エネルギーを貯蔵するだけの細胞という理解から、様々な生理活性物質を分泌し、脂肪組織外の組織とも連携して生体の恒常性に貢献することがわかった。しかし、現状の抗肥満薬としては薬効が脂肪組織・脂肪細胞の脂肪蓄積に直接関わっていない食欲抑制や消化吸収抑制などで、分子細胞生物学的手法を用いた肥満研究が抗肥満薬の創出を通じて肥満人口の減少に貢献しているとは言い難い。培養細胞システムによる抗肥満活性評価・解析システムが構築され、個体レベルで肥満解消を予測可能なシステムへと磨き上げる事ができれば、培養細胞は安価で取り扱いも簡単であるため、その波及効果は計り知れない。
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