研究課題/領域番号 |
17K01182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
廣川 和花 専修大学, 文学部, 准教授 (10513096)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地域医療 / 医学史 / 診療録 / 医療アーカイブズ / 梅毒 / 医療史 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本の地域医療の「近代化」を近世後期から続く長期的プロセスとしてとらえ直す。使用した医療記録は、個々の医師の医学知識・診療方法・医業経営の違いを反映していたが、明治30年代以降に平準化が見られた。地域医療の実態としては、西洋教育を受けた医師が向き合った明治期の地域社会の健康上の課題を、梅毒に注目して分析した。さらに同地域の別の在村医による近世後期から明治期にかけての医業経営においては、20世紀初頭にたるまで従来型の医療が地域社会の中で重要な役割を担っていた。両者の医療実践の比較から、明治後期にいたるまで、質の異なる医師による医療供給が同一地域内で展開していたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、近世後期までに達成されていた「医療環境」が、近代以降にいかに継承され、あるいは継承されなかったのかという観点から、地域医療を担った医師らが実践した医療の内容そのものを比較・分析し、そこでの医療の質や水準、その地域的差異と時代的変化、患者の医療需給行為の実態、その地域における医療の課題を、開業医の診療録を素材として明らかにした。これによって、福祉国家の主要な要素である医療と公衆衛生のシステム形成を、地域医療の観点から位置づけた。
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