研究課題/領域番号 |
17K01192
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 陽子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40392550)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 二水石膏 / グラウト / モルタル / 遅延剤 / セッコ / 文化財科学 / 壁画 / 石膏 / 保存修復材料 |
研究成果の概要 |
文献調査から、中央から西アジアにかけての地域における石膏や石灰の利用についての研究史を精査した。無水石膏を利用しているとする事例から、のちの時代に二水石膏が検出されている事例が多くみられた。トルコ、聖シメオン教会の壁画を分析調査したところ、純度の高い石膏が利用されていることを確認した。LC-MS分析、ELISA分析により、タンパク質を含む膠着材を利用したものではなく、無膠着材で彩色されたものであろうという新しい知見を得た。この地域の技術が、地中海の技法に影響を受けたものである一方で、在地の石膏を利用しているために、起こるべき炭酸塩化という過程のない彩色技法となったことを示唆する可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
石膏に関する調査の結果を参考にして、石膏を用いた彩色技術の研究と併行し、新たな壁画などの修復用グラウト用注入モルタルの改良のための石膏の利用についても検討を行った。主に遅延性、増粘性、軽量化のための添加剤、フィラーを検討した。カビなど生物被害を受けない材料を選択した。また、石膏モルタルは液水に微溶であるため、離水をできる限り抑制する材料を検討した。特性のパラメータと添加剤の関係を精査し、グラウト材として新たな石膏モルタルを作成し、エジプトやトルコの壁画修復の現場に利用した。
|