研究課題/領域番号 |
17K01194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
佐々木 健 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (20205842)
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研究分担者 |
佐々木 良子 嵯峨美術大学, 芸術学部, 講師 (00423062)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 有機色材 / 経年劣化 / 質量分析 / 産地特定 / HPLC / 構造解析 / 文化財科学 / 材質分析 / 有機質分析 / 有機物構造決定 / 産地・劣化指標物質 |
研究成果の概要 |
蛍光分光により特定が容易な黄檗の経年劣化指標物質の特定と構造決定を 高速液体クロマトグラフ(HPLC)-質量分析(MS)システムで行うことで文化財資料中の産地あるいは年代指標物質の構造決定手法を開発するとともに,構造未知物質の構造解析を行い,それらが主にベルベリンが酸素化された酸化物や酸化と加水分解に伴って生成する脱アルキル化化合物であることを明らかにした。 また,スティックラックの産地特定物質マーカーを特定してきたが,今回,産地特定にかかわる重要な物質を任意に選択することでアジア全般に分布するラック類の産地をほぼ特定することができることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機色材の主成分の分析から,いかなる材料が使われたか,即ち「材質」を明らかにすることができるが,微量副成分を明確にすることで色材の由来,例えば「産地」や「移動経路」などを明らかにすることができる。さらに,微量成分の構造を詳細に解析することで,上記に加えて劣化の程度あるいは経年を数値化することができる。本研究では多様な染料のうち蛍光により特定が容易な黄檗に注目し,産地特定と経年劣化指標物質の特定に成功し,その構造を明らかにすることで科学的根拠を持った手法としての有効性を示した。さらに,赤色染料として世界的に用いられてきたスティックラックの産地特定への指標物資の特定にも成功した。
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