研究課題/領域番号 |
17K01765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
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研究分担者 |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨格筋萎縮 / ヒストン脱アセチル化酵素 / サルコペニア / ヒストン修飾 / エピジェネティクス / マッスルメモリー / 運動習慣 / 不活動習慣 / 若年期 |
研究成果の概要 |
本研究は、若年期における運動不足がその後の筋萎縮の生じやすさに影響を与えるとの仮説について検討した。若年期の運動不足は、安静時エネルギー代謝や筋重量に有意な変化を与えなかったが、その後に生じる筋萎縮を有意に亢進させた。その背景には、運動不足によって生じるヒストン脱アセチル化酵素4(HDAC4)や下流の遺伝子発現が関与している可能性がある。さらに若齢および高齢ラットに同様の不活動刺激を与えた結果、高齢ラットではHDAC4や下流のGadd45αの顕著な活性化が認められた。以上のことから、HDAC4をターゲットとした対抗策が、若年期の運動不足や加齢による筋萎縮の抑制には有効である可能性が示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,ヒトの疾患を引き起こす原因として,遺伝的な異常のみならず,環境的な因子によるエピジェネティクスの異常が注目されており,特に若年期の生育環境や栄養はその後の肥満症や生活習慣病の罹患リスクに多大な影響を与える可能性が示されつつある。若年期の運動不足は,その後の筋の不適応,すなわち筋萎縮の生じやすさに悪影響を与えるという本研究の成果は、若年期における運動不足のリスクを示唆するものである。このような分子機序の解明は、運動不足に関連した多くの多因子疾患の進行に歯止めをかけるための第一歩となり,多因子疾患に対する新たな医学的アプローチ,運動効果模倣薬の開発などあらゆる分野への貢献が期待される。
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