研究課題
基盤研究(C)
FGF21遺伝子は授乳期においてPPARα活性化を介するDNA脱メチル化を受け、DNA脱メチル化状態が成獣期まで記憶・維持され、肥満の発症・進行の抑制に関与することが示唆された。一方FGF21ノックアウトマウスにおいてPPARα活性化による肥満の抑制が減軽され、FGF2遺伝子が肥満の抑制に重要な役割を担っていると考えられた。CRISPR-dCas9-TET1CD系を用いてFGF21遺伝子特異的DNA脱メチル化をHepa1-6 細胞および PPARαノックアウトマウスで誘導することに成功した。「エペゲノム編集」の応用が期待される。PPARα依存的DNA脱メチル化の分子機構について検討した。
本研究成果は、乳仔期に確立した代謝関連遺伝子のDNAメチル化状態が長期間記憶・維持され、肥満の発症・進展に関連することを初めて示した。乳児期のエピゲノム記憶が成人期の肥満のなりやすさに影響する分子機構の一つを明らかにした画期的な成果であると考えられる。将来の疾患の罹りやすさを予測して適切な介入により、疾患の発症が軽くなる理想的な医療が可能とされている。またCRISPR-dCas9-TET1CD系を用いた「エペゲノム編集」の研究は肝臓で脂質代謝遺伝子の働きを改善し、遺伝病や肝臓病などの治療への応用が期待される。
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