研究課題
基盤研究(C)
本研究では、既に同定済みのインスリン抵抗性特異的に血中発現量が変動する49種類のmicro (mi) RNAのうち、インスリン抵抗性特異的に発現増加し絶対量も多い13種類に注目して標的遺伝子群をTargetscanとmiRDBで予測し、12種類が複数の遺伝子群を一括して発現抑制して、インスリン分泌低下、インスリン抵抗性、小胞体ストレス亢進、動脈硬化発症等と関連があることを明らかにした。さらに、モデル動物としてゼブラフィッシュに着目し、インドシアニングリーンを用いた高精細な動脈硬化巣の蛍光動画造影法も確立した。現在、糖尿病進行度特異的miRNAマーカーの最終的な絞り込みと機能解析を行っている。
miRNAは、様々な遺伝子の発現を一括して抑制する働きをもち、唾液、尿、血液等の体液中にも存在する。miRNAを疾患の診断に用いるメリットは、用いる血液が極めて少量であり、被験者への侵襲度が極めて低い点にある。本研究の成果により、ヒト血液中の分泌型miRNAを活用して、糖尿病の全進行ステージにわたって継続的に糖尿病病態をモニターできる新たな診断用miRNAマーカーセットの開発へと結びつくと考えられる。さらに、核酸クロマト法等を活用した簡便・迅速・高精度な新規のPOCT診断法へと展開したい。
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