研究課題/領域番号 |
17K01947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
松尾 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50432521)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 金属酵素 / 構造柔軟性 / タンパク質 / サブチリシン / 金属配位 / 補助配位子 / 動的構造効果 / 銅錯体 / H/D交換 |
研究成果の概要 |
本研究では、金属含有酵素の機能発現メカニズムに対する、活性部位である遷移金属イオン近傍を覆うタンパク質構造の動的な構造効果を、チオールサブチリシンをモデルタンパク質として検証した。その結果、チオールサブチリシンのシステイン残基に結合したCu(II)イオンの性質は、その近傍の構造的な要因だけでなく、その部位から遠く離れたカルシウムイオンの結合状態によって制御されることが実験的に証明できた。その遠く離れた部位の構造的摂動は、タンパク質全体の構造柔軟性効果によって説明することができ、タンパク質という自由度の大きい構造が、結合した金属イオンの性質を決める要因であることを実証することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、タンパク質という生体高分子の分子自由度が、遷移金属イオンの反応性を決める要因であり、金属酵素の理解には、金属配位部位近傍の構造的要因のみだけでなく、タンパク質全体の構造効果を加味する必要性を実験的に証明したものである。分子量数万の金属含有酵素の機能は、「小さな」遷移金属イオン上で発揮される。したがって、本研究で得られた知見は、「小さな金属イオンの性質をコントロールするのに、なぜ、大きなタンパク質構造が必要か?」という構造生物学の根本的な疑問に1つの答えを与えるものであり、今後、タンパク質工学的に金属含有酵素の機能を制御する際の新しいアプローチを提案するものである。
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