研究課題/領域番号 |
17K01978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基盤・社会脳科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
金野 竜太 昭和大学, 医学部, 講師 (70439397)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 統語処理 / fMRI / SBM / 脳内ネットワーク / 神経膠腫 / 言語 / 大脳皮質 / 皮質厚 / フラクタル次元 / 神経変性疾患 / 脳回構造 / 失語症 / MRI |
研究成果の概要 |
統語構造の理解障害を特徴とする神経変性疾患である進行性非流暢性/失文法性失語の患者の脳血流低下部位を検討したところ、左下前頭回だけではなく、統語処理のネットワーク全体の脳血流低下が有意であることを明らかにした。また、認知症患者の言語性記憶機能と大脳皮質構造の比較検討を行ったところ、左島皮質の皮質構造の維持が言語性記憶に重要であることを明らかにした。さらに、左前頭葉の神経膠腫患者の大脳皮質構造を調べたところ、局所の脳腫瘍により大脳皮質構造が両側大脳半球を含めて全体的に変化することを明らかにした。 これらの知見は統語処理のネットワークの機能低下が統語構造の理解障害を惹起することを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、神経変性疾患の患者では、統語構造の理解障害が、局所の障害ではなく、大脳ネットワーク全体の機能低下に起因することが分かった。また、左前頭葉の局所脳損傷で生じると思われていた統語処理の障害が、実は大脳全体の脳構造の変化によるものの可能性が示唆された。以上の結果は、局所の脳損傷が脳全体の機能的結合性のみならず、解剖学的結合性の変化も惹起し、その結果、統語構造の理解障害が生じることを示唆するものである。
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