研究課題/領域番号 |
17K01991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳計測科学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
田村 了以 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60227296)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 内嗅皮質 / 霊長類 / 空間情報処理 / ニューロン活動 / 海馬 / 記憶 / 周期性徐波 / ニホンザル / サル / グリッド細胞 / 場所応答 / 睡眠 / entorhinal cortex / hippocampus / primates / encoding / spatial information |
研究成果の概要 |
霊長類の内嗅皮質-海馬系による空間情報の符号化機構を明かにするため,サルを用い直線走路を往復移動中に内嗅皮質とその関連領域のニューロンの空間応答特性と発火の周期性について検討した.往復移動中に記録した348個のニューロン中、15個は空間応答性を示したが,グリッド特性を示す細胞はなかった.また,21個のニューロンが徐波帯域で周期性を示したが,それらは全てデルタ帯域での活動であった.以上より,サルの内嗅皮質とその関連領域のニューロンは,空間情報処理は行なっているが,げっ歯類で報告されているようなグリッド特性やシータ帯域での周期性活動はなく,げっ歯類とは性質の異なる符号化機構であることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
げっ歯類を用いた多くの研究より,海馬-内嗅皮質系には場所細胞やグリッド細胞が存在し,その細胞集団がシータ波帯域の周期性活動を行なうことが,空間認知に重要な役割を果たしている考えられてきた.本研究の学術的意義は,霊長類の内嗅皮質系でも空間情報処理は行なわれているが、グリッド性やシータ波帯域の周期性活動などげっ歯類の研究で得られてきた知見がヒトを含め、霊長類には見られないことを明らかにした点である。また、本研究の社会的意義は,当該学問分野の研究者に重要な示唆を与えるばかりでなく,認知科学,精神医学,人工知能,計算論的神経科学等の学問領域に対する波及効果もあることである.
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