研究課題/領域番号 |
17K02010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
兼重 努 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80378439)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地域主義 / 民族主義 / 横の関係 / 縦の関係 / 競合関係 / 地方行政区画 / トン族大歌 / 現代中国 / 政治的境界 / 民族集団 / 中国 / 少数民族 / トン族 / 無形文化遺産 / 地域研究 |
研究成果の概要 |
トン族が多く居住する中国貴州省の黎平県、従江県、広西チワン族自治区の三江県などを訪れ、トン族大歌に関する文献・映像資料の収集を行った。その結果、以下の事がわかった。 (1)2009年にトン族大歌がユネスコ無形文化遺産に登録された後においても、各県は自県のトン族大歌を宣伝する映像を作成したり、書籍・定期刊行物を刊行したりして、トン族大歌を自県の文化資源として対外的アピールを続けている。(2)中でも黎平県にその傾向が特に強く現れている。(3)トン族大歌を地域の誇りとして強調しようとする地域主義的な言説と比べて、それをトン族全体の誇りとして強調しようとする民族主義的な言説はあまり目立たない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で行った地方行政区画間の「横の関係」の分析によって、①政治的境界と民族集団の関係性に関する研究の対象を、従来の国境地域から非国境地域(中国全土)に拡大し、政治的境界と民族集団の関係性の研究に新たな領域を開拓することが可能となった。②従来の「縦の関係」の分析では捉えきれなかった、現代中国における地方行政区画を単位とした少数民族の地域分化の実態とその影響をより鮮明に描きだすことが可能となり、中国少数民族の民族集団内部における競合関係の一端を詳細に明らかにすることができた。③本研究は、中国以外の多民族国家における政治的境界と民族集団の関係性の研究への適用も期待できるという点で汎用性も有する。
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