研究課題/領域番号 |
17K02012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 洋子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (60283660)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 老い / 語り / 高齢者施設 / ケア / タイ / 高齢社会 / 高齢者 / 北部タイ |
研究成果の概要 |
現地調査は二度の短期補足調査のみだったが、北タイにある国営の身寄りのない高齢者施設入居者という、タイでも最も周縁化された高齢者の語りを中心に、生い立ちや家族との関係、施設に入所するに至った経緯や施設での日々に関する語りについて考察した。医療や精神分析等の分野における患者の語りに関わる分析に学びつつ、分析方法を検討して考察を加えた。また、高齢者のための地方自治体などによる活動をめぐる語りも収集しており、合わせてタイ社会における高齢者ケアに関わる調査のまとめを、英文投稿論文や編著にて刊行し、また特に最終年度は諸学会にて本課題の成果をまとめ、口頭で発表する機会が少なからず得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子が老親を介護することを当然とする規範や言説の強いタイ社会にて、ケアの欠如の故に国立の高齢者施設に入居する高齢者は、言説や政策について正負両様のベクトルを持ちつつ、いずれにも捕われない自らの生をも語る。東南アジアにおける高齢化社会の研究は数量的マクロ分析が中心だがここではミクロな分析の方途を見出したことに意義がある。現在タイでどの様にケアが担われているのか、タイにおける高齢者ケアの社会化の研究は、ますます高齢化が進む日本とタイの今後を見通すうえで重要である。タイで口頭発表の折には、タイ人が知らないタイ社会の将来を占う重要な研究であり、政策立案者に聞いてもらいたい話だったとコメントを頂いた。
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