研究課題/領域番号 |
17K02013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 宜子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 研究員 (60792752)
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研究分担者 |
島村 一平 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (20390718)
山口 未花子 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (60507151)
大石 高典 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 准教授 (30528724)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 地域間比較 / フィールドワーク / 演劇手法 / 持続可能性 / 狩猟採集民 / 先住民 / トランスカルチャー / 他者理解 / パフォーマンス / 動物と人間 / カナダ先住民 / バカ・ピグミー / 演劇的手法 / ワークショップ / 象徴 / 共有自然資源 / 環境教育 / モンゴル遊牧民 / パフォーマンス・エスノグラフィー / 地域の知 / 公教育 / 地域間比較研究 / 生態資源利用 / 環境観 |
研究成果の概要 |
カナダ先住民やアフリカの狩猟採集民には、カスカの守護動物、クリンギットのトーテム動物、バカ・ピグミーの精霊や植物など、動物や自然資源に特別な力を付与するような思考法が共通して見いだせる。「不可解」な環境観に出会ったフィールドワーカーは、見知らぬ考え方と自らを混淆させ、新しい認識や視座を見出す。本研究ではこれと同様なトランスカルチュラルな経験を、教室の中で、日本の児童や市民にもたらす方法論を探求した。「演劇手法」は各地域の文脈を再現し、学習者らの主体的な解釈の共創や対話を促し、身体性や物語性に富む現地の“教育方法”に近づき得る方法論であった。経験の更新と持続可能性の関係を考えさせ示唆的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類学や地域研究においては、他者と自らを本質的に異なる存在として描く表象や、自文化と異文化に境界を引く多文化主義に潜む暴力性への反省や問い直しが行われてきた。本研究は、グローバリズムでも多文化主義でもない「トランスカルチャー」という概念を具現化する教育方法を探求し、これまでの課題を乗り越える「他者理解の方法論」を提示した。多様な専門家や行政等が協働し、相互行為や対話の中で、市民や児童が新たな価値観を生み出す場を共創する実践研究はソーシャル・イノベーションの観点からも評価できる。また教育評価について、画一的達成目標ではなく、学習者の当事者視点から評価を行う相互行為分析アプローチの手法を提示した。
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