研究課題/領域番号 |
17K02034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 みちる 大妻女子大学, 国際センター, 講師 (70768019)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 白人性 / カリブ / オーラルヒストリー / トリニダード / バルバドス / ジャマイカ / アイデンティティ / カリブ海 / 社会学 / 多文化共生 |
研究成果の概要 |
本研究では旧英領カリブ海地域のトリニダード・バルバドス・ジャマイカの3島におけるヨーロッパ系市民から聞き取ったオーラルヒストリーの語りから以下を明らかにした。①3島に共通して、多くは社会経済特権を持つエリート層に属している、②バルバドスは異人種間結婚・混血児に対し嫌悪を表しない、③トリニダードは白人としての純血性を主張するが、バルバドスとジャマイカは身体的特徴が完全に白人であっても混血である事実を躊躇なく公表する、④若年層は他社会構成員との同化を試み、白人優越性や人種差別を否定する傾向にあるが、日常的な社会特権に恵まれていることは気づいており、意図せず悪用していることには気づいている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で収集した、旧英領カリブのヨーロッパ系市民が多文化社会で少数派としてどのような経験を通じてアイデンティティを構築してきたのかという個人の語りは、未だ系統的な調査研究が僅少であるカリブ海地域の白人性研究に革新的な前進をもたらす貴重なデータである。同時に、白人性を構成する歴史・ジェンダー・エスニシティ・クレオール化などの複合的学術分野に貢献することができた。 本研究は、異なるものへの優位意識や差別意識の構造を理解しようとする点において、特に異文化への寛容という文脈で、差別や紛争のない多文化共生社会を実現するために、どの要素が役立つのか、グローバル化が進む我が国に新たな方向性を示すことができる。
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