研究課題/領域番号 |
17K02077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
堀内 真由美 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脱植民地化 / 旧英領カリブ海諸島 / 西インド連邦 / ポストコロニアル / ジェンダー / ジーン・リース / フィリス・オーフリー / 「ブラック・フェミニズム」 / 英領西インド諸島 / ポストコロニアル文学 / 思想・運動・歴史 |
研究成果の概要 |
本研究は、1950年代から本格化する英領西インドの独立運動を、クリオールと呼ばれる本国系白人が、どう捉えどう関わりどのような結果に終わったかを明らかにすることだった。研究対象の英領ドミニカ出身クリオール女性、ジーン・リース(1890-1979)とフィリス・オーフリー(1908-86)の故郷への愛憎半ばする言動を、両者による文芸作品や日記、書簡を網羅的に探究することで明らかにできた。また文化人類学研究成果を借り、彼女たちの故郷の島に対する知識を確認した結果、「故郷への理解」が必ずしも肌の色の異なる島民には評価されず、脱植民地過程で彼女たちの貢献は道半ばに終わり、忘却されていったことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英領西インドのクリオールに着目した本研究は、イギリスの植民地主義の歴史が生み出した存在を認識させ、その存在が、脱植民地過程で、本国と故郷の植民地間でいかに動揺させられたかも示した。彼女たちは、植民地支配の歴史すら忘却しつつあった本国人たちの記憶を喚起させると同時に、奴隷の子孫が同胞となりつつある脱植民地過程で、自らの差別意識と向き合い苦悩しつつ独立への道を歩んだことを明らかにした。このことは、支配体制の差異、第2次大戦での勝敗、戦後処理の違いを超え、旧宗主国に属する現代の人々が学びうる共通の過去を喚起させ、その理解と共有が個々人の担いうる「植民地責任」につながるということを認識させる。
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