研究課題/領域番号 |
17K02083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2017-2021) |
研究代表者 |
浅井 美智子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (10212466)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 卵子提供 / 代理出産 / 遺伝子診断 / 不妊治療 / 遺伝子治療 / 生殖 / 生命倫理 / 生命科学 |
研究成果の概要 |
2020年には、「生殖補助医療法」が制定され、代理出産以外の第三者が関わる生殖が法的に可能となった。日本では、1949年以降、提供精子による人工授精が行われてきたし、海外で提供卵子や代理懐胎出産によって数知れない子どもが誕生してきた。 本研究により、卵子や精子を、また妊娠・出産を他者から調達することは命の時間継起を切断することであり、他者の生殖に寄与した人々は人間ではなくモノとなることが明らかになった。さらに、生まれた子どもはその存在根拠を著しく欠いた存在として、存在不安を抱えることになるとの結論に至った。詳細は『日本における生殖医療の最適化』『「家族」を変える体外受精』にまとめている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工授精や体外受精は、他者の生殖身体(精子・卵子・妊娠出産)に依拠した生殖を可能とした。本研究は、この新しい生殖のあり様を日本における「生政治」という観点から分析している。日本では、臓器移植において「死」が決定できなかったように、不妊治療においては、非配偶者間生殖が秘匿される。それは生まれたばかりの子どもが養子に出される場合、特別養子縁組法という虚偽法により真実が曲げられるのと同様、不妊治療においても事実は隠蔽・歪曲される。これが日本における先端生殖医療の最適化あることを本研究で明らかにしている点が独創的である。また、実際に不妊治療を考える新たな視点を提示しており、社会的意義がある。
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