研究課題/領域番号 |
17K02125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
観光学
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
高 媛 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (20453566)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 満洲 / 戦跡 / 観光 / ツーリズム / 戦争 / 帝国 / 植民地 / 社会学 / 東洋史 / 日本史 |
研究成果の概要 |
本研究は、戦前期満洲における戦跡保存の過程と戦跡観光化の実態を明らかにするとともに、同時代の中国人社会に与えた影響や、中国人が日本の戦跡旅行に向けるまなざしを考察することで、観光という場で繰り広げられた日中間の相互作用のダイナミズムを描き出した。研究成果としては、第一に、日露戦争と満洲事変で生み出された満洲戦跡の保存過程を把握することができたことである。第二に、戦跡の観光化を牽引する満鉄や大連都市交通株式会社などの取り組みと戦跡観光の実態を明らかにしたことである。第三に、戦跡用地の買収や戦跡の観光化をめぐる日中双方の対立や攻防といった日中間の交渉の様相を浮き彫りにしたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、日露戦争から第二次世界大戦にかけての満洲戦跡の保存や観光化の歴史的変容を辿ると同時に、日中双方の観光客のまなざしの交錯の検証を通しながら、通時的・共時的という二つのアプローチにより、満洲地域での戦跡ツーリズム研究の事例研究を提供したことである。 研究成果の社会的意義は、満洲戦跡ツーリズム史を明らかにするだけにとどまらず、今日まで続く日中両国における満洲認識の齟齬(中国では日本による満洲への侵略を強調し、日本の一部の人は日本による満洲開発の成果を強調する)を解きほぐし、近代東アジア社会における戦争の記憶の形成過程の複雑性と多義性を理解する糸口を提示したことである。
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