研究課題/領域番号 |
17K02158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村山 達也 東北大学, 文学研究科, 教授 (50596161)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ベルクソン / 様相 / 潜在性 / 可能性 / 概念化不可能性原理 / 自由 / 物質論 / イマージュ / 必然性 / 定義 / フランス哲学 / 様相概念 / メタ哲学 / 『物質と記憶』 / 『道徳と宗教の二源泉』 / 創造 / 感情 |
研究成果の概要 |
ベルクソンの用いる様相概念をさまざまな観点から検討した。大きな成果は三つある。第一に、ドゥルーズによるベルクソン解釈以来、潜在性概念が極めて重要であることが自明視されてきたが、これに対して、ベルクソンの哲学で潜在性概念はほとんど役割を果たしていないことを明らかにした。第二に、ベルクソンによる可能性批判の議論を再構成し、その眼目や隠れた前提を明らかにした。第三に、ベルクソンによるイマージュ概念の正当化を再構成し、そこで「概念化できないことは形而上学的にも不可能である」という近世以来の原理が用いられていることを明らかにした。なお、以上はどれもハンドブックや査読誌において英語で公表されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
必然性、可能性、潜在性といった様相概念は、哲学史上さまざまなものが提案されてきた。ベルクソンにおける様相概念はそのなかでも伝統を引き継ぎつつ特異なものであり、その検討はベルクソンの哲学のみならず近世哲学史の再検討に繋がる重要性をもつ。また、そうした様相概念は、哲学の中で流通するだけでなく、私たちの普段の考えにも影響を及ぼす。とりわけベルクソンの潜在性概念や可能性概念は、ドゥルーズの解釈を通じて、私たちが創造性というものを考える上で影響力をもっている。そうした背景の下、あらためてベルクソンの原典に立ち戻って様相概念を検討することは、創造性をめぐる私たちの考えの吟味という意味でも大きな意味をもつ。
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