研究課題/領域番号 |
17K02160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山田 圭一 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (30535828)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ウィトゲンシュタイン / 知覚 / 言語学習 / アスペクト / メタファー / 言語 / 人称 / 情動 / 認識論 |
研究成果の概要 |
本研究では、言語の学習と拡張において知覚が果たす役割をウィトゲンシュタインのアスペクト知覚というアイデアをもとに明らかにした。まず、直示的な教示(指さしによる言葉の教示)によって一般的な語の使用が可能となるためには、対象の見方の転換が必要であることを明らかにしたうえで、それを「範例として見る」というアスペクト知覚として取り出した。次に、われわれの言語を拡張する比喩的な表現をいくつかのタイプに分類したうえで、それらが「類似性を見る」というアスペクトの気づきに基づくものであることを解明したうえで、新たな言語ゲームを生み出す創造的な体験のあり方を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、第一にウィトゲンシュタインの言語観の転回の根底の部分にあった語りえぬ体験の次元を明らかにしたという点にある。第二に、言語の学習と拡張におけるアスペクト知覚の役割を明らかにすることで、言語哲学と知覚の哲学とを架橋する哲学研究の可能性を提示したという点にある。そして社会的な意義としては、AI研究の進展を通じて再び脚光を浴びつつある「記号接地問題」(記号が記号内のネットワークを超えていかにして感覚経験と結びつきうるのかという問題)についてウィトゲンシュタイン的な回答を提示することで、記号の意味を巡る問題に一つの回答の選択肢を提示したことにある。
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