研究課題/領域番号 |
17K02168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
舟場 保之 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20379217)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | カントの平和論 / 世界共和国 / 諸国家連合 / 民主的な法治国家 / カント / ハーバーマス / 世界平和 / 地域共同体 / EU論 |
研究成果の概要 |
世界平和の実現を構想するカントの平和論を検討し、「諸国家連合」でも「国際国家」ないし「世界共和国」でもない第三の選択肢を、現代の最先端の平和論を論じるユルゲン・ハーバーマスや、マティアス・ルッツ=バッハマン、アンドレアス・ニーダーベルガーの議論を参照して、提示した。それは、世界政府のような世界に唯一の行政府を設けることなく、しかし世界に唯一の憲法体制を設定する法的体制であり、カント的共和主義によって正統化することが可能な公共体であることを明らかにした。また、具体的な考察をふまえ、第三の選択肢がアクチュアルな状況において有効であることも示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カントは永遠平和を主張する理想主義者として広く知られているものの、しかし実際には、理性に従えば選択されるはずの「国際国家」ないしは「世界共和国」ではなく、「諸国家連合」という現実主義的な路線で平和を考えている。この見解が一定程度意味をもってきたことは否めないが、しかしカントのこうした議論にもとづいて創設された国際連合のさまざまな不備や欠陥が目の当たりにされる現代においては、「諸国家連合」でも「国際国家」ないしは「世界共和国」でもない第三の選択肢を考える必要がある。このようなコンテクストにおいて、カント的共和主義にもとづいたひとつの憲法体制という選択肢を提示したことには大きな意義がある。
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